生産管理・在庫管理 “うそ”発見! その③

Webをググってたら見つけたものです。
<うそ発見!その③>
「安全在庫の古典理論計算式は科学的な誤りであることが判明しました」

結構衝撃的なメッセージですね。その説明もちゃんとあります。
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統計的安全在庫の理論(古典理論)として、半世紀以上の歴史を持ち、大学で教えられ、国家試験でも出題されている下記の安全在庫計算式は、科学的な誤りであることが判明しました。
安全在庫=安全係数×√(リードタイム)×需要の標準偏差
科学の基本であり、法則の正誤チェックに物理学者がよく用いるディメンジョンチェックをこの計算式に適用すると
[N]=[√(TN)]
N:個数・回数
T:時間
となって、左右両辺の単位が一致しないので、この計算式は科学的に誤りであると結論づけられるからです。
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安全在庫の式って、在庫管理の本には必ず出てくる式です。これが科学的な誤りだ、といううんですから、これまでの本やら、論文やら、みんな直さなくちゃいけなくなりますよね。これは、結構大ごと。で、この珍説を“カンシキ”

小売店を覗いてみます。ある商品に着目します。今、簡単にするために、1人の客は1個しか買わないとします。そうすると来客数=売上数(需要)となります。客はランダムに来ます。例えば、ある日は2人、次の日は7人、、、、平均客数/日は5人/日としますか。客数/日の分散もエクセルかなんかで簡単に計算できます。では、1週間での平均客数とその分散はどうなるか。

先ず、平均は、
平均客数/週=平均客数/日+平均客数/日+・・・=7 ×(平均客数/日)
と簡単。では客数/週の分散は、、?

その前に、前提条件を確認しておきます。来客間隔の母集団は同じ、とします。もうひとつ。来客間隔は過去の経過とは関係ない、という条件です(これをマルコフ性とか言ってます)。つまり、前の日の来客が多かったので今日は、、、とか、ここ1週間客が少なかったので来週は、、とか、ということはなく、来客間隔はもともとの母集団に従う、ということです。言い方を換えると、昨日の来客数と今日の来客数は独立である、ということができます。

客数/日の分散は独立だとなれば、分散の加法性が成立します。で、
客数/週の分散=(客数/日の分散)+(客数/日の分散)+・・・=7×(客数/日の分散)
となります。

ここまでまとめますと、ある一定の観測時間の間にランダムに到着する客数の平均と分散は観測時間に比例する、ということになります。上の例で言えば、来客数を数える日数に比例する、ということになります。安全在庫を求めるときは、分散ではなく標準偏差が必要です。標準偏差=√分散、ですから、客数/週の標準偏差は次のようになります。
客数/週の標準偏差=√7×√(客数/日の分散)=√7×(客数/日の標準偏差)

√7の7は、7日という時間単位を持つわけではなく、集計時間が7倍(1日が7日)になったという比率を表し、従って、ディメンジョンはなし、です。

で、安全在庫の式を、もう少し、正確に書きますと次のようになります。
安全在庫=安全係数×√(リードタイム/単位時間)×単位時間での需要の標準偏差

ディメンジョンチェックをしてみます。安全在庫のディメンジョンは個数。安全係数はディメンジョンなし。標準偏差のディメンジョンは個数。で、√の中のディメンジョンは? √の中身は、(リードタイム/単位時間)で、時間の比ですからディメンジョンはなし。つまり左辺のディメンジョンは個数、右のディメンジョンも個数、、、でしょ。どこもおかしくありませんね。

安全在庫の計算はある期間の需要分布の計算と同じです。背後にある前提条件は需要分布は正規分布する、っていうことですね。これは経験的に、納得。正規分布であれば、平均値と標準偏差がわかれば任意の範囲の確率が簡単に計算できます。2σでは2.28%、3σだと0.13%とかうやつです。

「安全在庫の古典理論計算式は科学的な誤りである」とした根拠は、式の左右でディメンジョンが合わないから、と。その式が、
安全在庫=安全係数×√(リードタイム)×需要の標準偏差
この式だけみれば、ルートの中のリードタイムは時間のディメンジョンを持つと思ったのでしょう。しかし、ある一定の観測時間の間にランダムに到着する客数の平均と分散は観測時間に比例する、というメカニズムから、正しい安全在庫の式は、
安全在庫=安全係数×√(リードタイム/単位時間)×単位時間での需要の標準偏差

となり、√の中は(時間/時間)で、ディメンジョンはなくなるんですね。

同じところにこんなのもあります。
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「リードタイムを、0.5ヶ月、2.3日、、、などと数えて安全在庫を計算するのは論理的な誤りです」
古典理論が仮に正しいと仮定しても、その安全在庫計算式において√の中のリードタイムを0.5ヶ月、2.3日などと数えるのは大きな間違いです。
古典理論では、「分散の加法性」を数学的な基礎としているために、このようにリードタイムを数えることは、論理的な破綻であるからです。
リードタイムが15日なので、月数にすると0.5ヶ月になると計算するところまではよいのですが、この0.5ヶ月という値を安全在庫計算に用いるのは間違いとなります。在庫理論をきちんと理解しているコンサルタントやエンジニアは、決してこのような計算方法を教えることはありませんので、ご注意ください。
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これも同じ穴の貉。「うそ」ですね。既述の説明をみれば、「うそ」だっていうのが、すぐわかりますよね。ルートの中のリードタイムは時間のディメンジョンではなく、時間の比ですから、0.5だって、2.3だって、まったく問題はありません。

でも、このくだりは引用させていただきたく、、。
<<在庫理論をきちんと理解しているコンサルタントやエンジニアは、決してこのような計算方法を教えることはありませんので、ご注意ください。>>